難治性のてんかんをお持ちの患者様の中には、度重なるてんかん発作により身体が強張るようになってしまい、動作が非効率的でぎこちないものになってしまっている方もいらっしゃいます。リハビリテーション科では、そのようなてんかん患者様に対して、発作に注意しながら運動負荷をかけ、より日常生活に近い環境を作りながら、効率的な身体の使い方ができるように運動療法を実施しています。
また難治性てんかんの治療の一つには外科手術もあります。術後の身体機能・高次脳機能への影響は手術の切除部位によって異なります。てんかん発作を起こす焦点(発作が始まる起点となる部位)が運動野(運動の中枢)にある場合、ある程度身体機能への影響がある事を把握しながらも、そこを切除しなければならない場合もあります。
当院ではそのような手術を控えた患者様に対して術前から介入し、術後どんな点が切除の影響を受けたのかを把握しながら、可能な限り手術による身体機能・高次脳機能への影響を抑えられるような介入を行っていきます。医師と密にコミュニケーションを取りながら術前より介入する事で、明確なゴールをイメージしながらリハビリテーションを進める事が出来ています。
患者様と1対1の時間を長く持てるリハビリスタッフだからこと知り得る情報をもあります。そのような情報を正確に医師に伝えていくことで、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血後のてんかん(GCSE・NCSE)に対しても、早期発見や状態把握の一助となるよう、リハビリスタッフの五感を研ぎ澄ませながら患者治療を行っています。
リハビリテーション科は、臨床所見を個別対応でじっくり観察し、評価することができる部署です。そのメリットを生かし、てんかん患者様に適切なタイミングで適切な治療を行うための情報を、医師に提供できるよう介入を行っています。