てんかんセンター

薬剤科

てんかんの治療は、薬物治療が重要となります。抗てんかん薬は1~2剤で60%程度の方が発作をコントロールすることができると言われています。効き目が優れ副作用の少ない薬も登場していますが、発作をコントロールするためには長期に渡って正しく服用を続ける必要があります。

私たち薬剤師は、てんかん患者様が安全に薬の服用を続けるためのサポートをしています。

入院時には、抗てんかん薬を含め服用歴、副作用歴、アレルギー歴など患者様に関する情報を収集します。そして、処方された薬を薬剤師の視点と収集した情報を合わせ、患者様にあった薬物治療を提案しています。また、回診や服薬指導を通して患者様が抱えている不安や問題点を探し、医師、看護師、その他医療スタッフと協力して解決を目標としています。

抗てんかん薬の副作用は急性期から現れるものから長期的服用を続けることで現れるもの、薬によって起こりやすいものと様々です。副作用について説明することで患者様の不安を取り除き、ご家族にも副作用の症状を知ってもらうことで副作用に対していち早く対応することができます。私たちも副作用の徴候がないか、薬の血中濃度を定期的にモニタリングし適正な用量を服用できているかチェックしています。

正しく薬を飲み続ける事の大切さを患者様に理解していただき、服薬アドヒアランスの向上を目指しています。

当院では新たな医薬品開発に必要な治験を行なっています。私たちは、医薬品の品質管理と調剤を担当し医師、看護師、治験コーディネーター(CRC: Clinical Research Coordinator )と連携して適正かつ円滑に行われるように支援しています。

抗てんかん薬とは

脳の神経細胞の過剰な電気的興奮を抑えたり、その興奮が伝わるのを抑えたりする薬です。

薬物治療に大切なこと

  1. 規則正しく服用を続けること。
  2. 睡眠不足を避けるなど、生活リズムを整えること。

服用を続ける理由とは

薬は、服用し吸収され脳へ移行してはじめて効果が現れます。服用を繰り返すことで脳内の薬物量が安定し効果が発揮されます。また、薬の移行性には個人差があり、服用量を調節する必要があります。そのため適切な量を判断する上でも服用の継続は重要なことです。服用を急に中止すると、その反動で強い発作を起こすおそれがあります。

抗てんかん薬の副作用は

薬の種類により発現する副作用は異なりますが、共通の副作用として主に以下のようなものがあります。

  1. 眠気・頭痛・めまい・ふらつきなど
    →少量より開始する、少しずつ量を増やしていくことで予防できます。
  2. 視界がぼやける・物が二重に見える・ふらつきなど
    →服用後に一過性に現れるもので、量を減らす・服用回数を増やすことで予防できます。
  3. アレルギー症状
    →ほとんどの場合は服用後数か月以内に現れる。服薬を中止する必要があります。

主な薬の副作用は以下のようなものがあります

  • ○アレビアチン(フェニトイン) 歯肉増殖 皮膚・粘膜障害
    口腔内を清潔にすることで、歯肉増殖はある程度予防できます。
    皮膚・粘膜障害は服用開始から3か月以内に発症することが多く、発熱や水疱、口内炎などの症状が現れます。
  • ○テグレトール(カルバマゼピン) 白血球減少 皮膚・粘膜障害
    倦怠感やすぐ疲れる、めまいなどの症状。
  • ○エクセグラン(ゾニサミド) 皮膚・粘膜障害
  • ○バレリン(バルプロ酸ナトリウム) 肝障害 高アンモニア血症
    意識障害や強い振るえなどの症状があるときは相談しましょう。
  • ○トピナ(トピランマート) 腎・尿路結石
    腹部痛などの症状。水分補給を心がけましょう。
  • ○ラミクタール(ラモトリギン) 皮膚・粘膜障害
  • ○イーケプラ(レベチラセタム) 皮膚・粘膜障害 気分変動
  • ○フィコンパ(ペランパネル) 気分変動
  • ○ビムパット(ラコサミド)めまい・眠け

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