てんかんセンター

看護部

看護部の取り組み

当院は、てんかんセンターとして、入院で関わる患者さまは、ビデオ脳波モニタリング、てんかんの手術目的の患者さま、てんかんの薬物調整の患者さま、そして、てんかんで救急搬送されてきた患者さまです。(初発てんかん、てんかん重積)です。

当院では、てんかん患者様、てんかんを疑われる患者様に対して確定診断および、発作型診断を目的に長時間ビデオ脳波を行なっています。

長時間ビデオ脳波は、てんかん診断のためにビデオ撮影による発作と、脳波を同時に記録するものであり、薬を一時的に中止し発作を誘発した状態で長時間通して、モニタリングを行います。頭皮に取り付けられた電極は脳波計に接続されているためトイレ以外は、基本的に個室にこもりきりになるため自由に行動できません。発作は突然起こるものであり、発作パターンも個々それぞれのため迅速に対応できるように点滴を確保しています。

どこから始まり、どんなけいれんなのか、どのくらい続いたのかを知ることが必要なため長時間ビデオ監視をしています。数日に及ぶ検査となるため、ストレスの蓄積につながることも、あります。そのため、看護師と話しをすることで精神的に安定できるように環境調整を行なっています。

また、発作を誘発させるために、終夜まで制限なく自由にTVを見たり・ゲームをしたり・本を読むことが出来るよう個室管理になっており、洗面は個室の中で行なえますが、TVモニターの範囲内にないため看護師が付き添いします。また、頭に脳波電極がつながっているために原則シャワーはご使用になれません。そのために、毎日ホットタオルでの清拭になります。
その際は、プライバシーの配慮が行なえる環境を整えておりますのでご安心下さい。

ご入院した際にあらかじめ、発作が起こりやすい状態がどのような時なのか、事前に前駆症状を聴取し心電図モニターから、発作兆候を読み取り対応できるように努めています。また、患者様の安全を考え、ケイレン時の転倒予防として、ベッド柵の保護やベッドからの転倒時用に衝撃吸収マット、安全センサーを設置しています。

てんかん患者様において、安全をテーマに看護研究も行いました。
てんかん発作・てんかんの脳波判読は、読解が難しいため医師主催でビデオ脳波モニタリング診断の勉強会を行ない、てんかん発作をスタッフ間で共通の情報とするようスタッフの学習できる環境を整えています。
これからも、県南西部地域、埼玉県内そして県外から来院される多くの患者様を安全に受け入れるような体制作りを行い、外来との継続した看護が行なえるようにと考えています。


てんかんの手術を目的で入院される場合

surgery_01.jpg主に、迷走神経刺激装置埋め込みの手術や、頭蓋内電極留置、焦点切除術が行なわれます。
手術前に麻酔科による麻酔の説明や看護師による術前訪問が行なわれ安全に手術が受け入れられるようになっております。

手術後は、NeuroICUで全身状態を管理できるよう、心電図モニターや血圧計がつけられます。
すぐには、食事が食べられないために輸液が投与されます。通常は、術後1週間から2週間で退院となります。

救急でてんかん運ばれてきた患者さまの場合は

てんかん、てんかん重積で入院が必要な場合、発作後もうろう状態や、時にてんかん重積が続き意識がはっきりとしない場合があります・そのような場合には一時的にNeuroICUでの入院となり、状態が落ち着くまで、モニター管理・抗てんかん薬の投与が必要です。時に不穏になり、薬剤コントロールが必要であったり、救急脳波検査が必要になる場合もあります。発作が頻繁に起こる場合は、鎮静を行い経過をみることもあり、その際は呼吸管理が必要になります。

自力にて体が動かせない状態の場合は日常生活のお手伝いをしますのでご安心下さい。
てんかん発作が長引く場合にはときに一時的な機能低下が見られます。このような場合には、リハビリテーションが必要になります。毎日の回診の中から必要である患者さまには積極的に介入していきます。

てんかんセンター