神経集中治療フェロートレーニングプログラム 3期生 追加 募集要項

Neurocritical Care Fellowship Program (NCCFP)

2023年7月13日

背景

本邦での神経集中治療のさらなる普及を目的にTMGあさか医療センター神経集中治療部で、2年間のNeurocritical Care Fellowship Program(NCCFP)を設立しました。協力施設と連携し、幅広く神経集中治療を学んでいただきます。

特色

神経集中治療の対象となる疾患は多岐にわたります。心停止蘇生後の低酸素性脳症、脳卒中、頭部外傷、てんかん重積状態、脳炎、神経筋疾患などがあります。各疾患の管理を効率よく、幅広く学んでいただくため、TMGあさか医療センターでの研修だけではなく、各協力病院をローテーションしていただき、バランスよく神経集中治療のトレーニングを受けていただきます。

TMGあさか医療センターでは、脳神経外科医やEmergency Neurological Life Support(ENLS)1) のトレーナーの指導のもと確立された米国式の神経集中治療を学んでいただきます。

特にCritical Care EEGなどの脳波診療を積極的に行っていますので、脳波の判読を最低1年かけて勉強してもらいます。判読方法はCritical Care EEGの判読方法として確立されたAmerican Clinical Neurophysiology Society's Standardized Critical Care EEG Terminology: 2021 Version 2) に基づいて行いますので、世界標準の判読方法を学ぶことができます。また、てんかん専門医からのフィードバックを得られる機会がありますので、専門的に脳波判読の知識を深めることも可能です。

その他、2次性脳損傷をどのように回避するのか、多角的な神経モニタリングを基礎に、体温管理や一般的な頭部外傷の管理(頭蓋内圧管理)、脳卒中の管理、脳炎の管理、重症意識障害の管理を習得していただきます。また、Neuro ICUの運営方法、Neurocritical care TEAMの育成方法なども学べます。

研修中に様々なClinical Questionが出現し、研究テーマを各自持つことがあると思われますが、希望者には、Neurocritical Care, Critical Care EEG関連の研究・論文作成も指導します。

1)https://enls.neurocriticalcare.org/home
2)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33475321/

トレーニングの内容

あさか医療センターでのトレーニングの特徴

・ Neuro ICU勤務
・General ICUでの意識障害の対応
・神経救急・HOTLINE対応トレーニング
(脳神経外科医が普段対応している神経救急対応を初療から行えるようにトレーニングします。習熟程度によってはバックアップ体制のもと当直もしていただけます。)
・Critical care EEGの管理の習得
(適応と装着・判読・デジタル脳波の管理、脳波レポートの作成)
・多施設 Critical care EEGカンファレンスへの参加
・脳神経外科病棟・脳卒中センター・てんかんセンターのローテーション

TMGあさか医療センターでのタイムスケージュール一例(参考)

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勤務
5日/週、研究日あり(TMGあさか医療センター)

ローテーションの方法

2年間のうち、TMGあさか医療センターに最低1年在籍していただきます。残りの1年の期間は、各個人の希望に合わせてローテーション可能となります(原則1施設)。プログラム開始前にプログラムディレクターと面談の上、各施設の状況に応じて決定します。

協力施設

・聖マリアンナ医科大学医学部付属病院 救命センター ※
・日本医科大学医学部付属病院 高度救命救急センター ※
・香川大学医学部付属病院 救命救急センター ※
・東京ベイ浦安市川医療センター 救急集中治療科(集中治療部門)※
・武蔵野赤十字病院 救命救急センター ※
・国際医療福祉大学熱海病院 脳神経内科
・兵庫県災害医療センター 救急科 

注1:以上の施設では集中治療室で神経集中治療のトレーニングを中心に受けていただきますが、施設の規定に沿って集中治療室でそれ以外の勤務を行う場合があります。
注2:TMGあさか医療センター含め、上記※は集中治療医専門医研修施設になります。詳細はhttps://www.jsicm.org/institution/をご参照ください。
集中治療専門医取得の要件に関しては、以下をご参照いただき、学会からの最新情報をご参照ください。https://www.jsicm.org/about/pdf/2saisoku_old_2021.pdf

募集要項

対象
神経集中治療を専門的に勉強したい若手医師(医師免許取得後、概ね6年目以降:トレーニング開始時)かつ、神経集中治療の指導医を目指す医師。

目的
日本での神経集中治療の発展のために活躍できる医師を育てることです。

募集人数
1-2人/年

採択基準
書類審査・面接(TMGあさか医療センター)
協力施設から要請があった場合は、協力施設でも面接などの審査がある場合があります。
※面接はオンラインも含め検討します。

日時
順次告知

採用日
2024年4月1日

研修期間
2年間(採用方式は受け入れ施設の規定に応じます)

待遇
当院・各協力施設の規定に応じます。その他の規定も各病院の方針に従っていただきます。

応募必要書類
■履歴書
■志望理由書
■業績報告書(形式自由)
■推薦書
■医師免許証(写)
■大学卒業証明書
■臨床研修修了登録証(写)

応募書類提出期限:2023年9月30日

提出先・問い合わせ先

〒351-0023
埼玉県朝霞市溝沼1340−1
TMGあさか医療センター
総務課 神経集中治療フェロー 採用担当者
TEL:0570-07-2055
FAX:048-466-2059
Email:s_nakagawa4@tmg.or.jp


プログラムディレクター
TMGあさか医療センター神経集中治療部
Columbia University Irving Medical Center, Neurological Intensive Care Unit
江川悟史 s_egawa@tmg.or.jp

プログラムサブディレクター
TMGあさか医療センター神経集中治療部 中川俊 s_nakagawa4@tmg.or.jp
TMGあさか医療センター脳神経外科・神経集中治療部 中本英俊

プログラムアドバイザー
香川大学医学部附属病院 救命救急センター 黒田泰弘
聖マリアンナ医科大学 救命救急センター  藤谷茂樹