このたび、当院 医師が執筆した論文
「Menopause-Associated Anterior Cutaneous Nerve Entrapment Syndrome」 が、国際医学誌 Cureus に掲載されました。
■ 内容の概要
本論文では、「原因不明の腹痛」として見過ごされやすい疾患
前皮神経絞扼症候群(ACNES) に着目し、特に更年期との関連について報告しています。
本症例では、強い腹痛により複数回の救急受診や精密検査を受けたにもかかわらず異常が見つからなかった患者さんに対し、最終的にACNESと診断し治療を行いました。
手術および病理検査の結果から、
- 神経の周囲での線維化(コラーゲン増加)
- 血管の壁肥厚と血流低下(血管リモデリング)
- 神経を取り巻く環境(神経周囲微小環境)の変化
が確認されました。
さらに、更年期に伴うホルモン変化(エストロゲン低下)が、
- 血流の低下
- 組織の硬さ(柔軟性低下)
- 痛みの感じやすさ
に影響し、症状の発症や増悪に関与する可能性が示唆されました。
■ 本研究の意義
これまでACNESは「局所の神経の圧迫」として説明されることが一般的でしたが、本研究では、
👉 全身的な変化(更年期)+局所の変化(神経周囲の組織変化)
という新しい視点から病態を捉えています。
これにより、
- 原因不明とされていた腹痛の理解が深まる
- 不必要な検査の繰り返しを防ぐ
- より適切な治療につながる
ことが期待されます。
■ 最後に
当院では、原因がはっきりしない腹痛に対しても、腹壁由来の痛み(ACNES)を含めた評価を行い、必要に応じて専門的な治療を提供しています。
「検査では異常がないと言われたけれど痛みが続く」
そのような症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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