診察室だより

不活化ポリオワクチンの個別接種がはじまります

[2012/09/10]

9月に入ってもまだ暑さは続いています。

いつも夏休みに入ると小児科の患者さんは少なくなるのですが、今年は、マイコプラズマ肺炎やウィルス性と思われる肺炎がはやりました。

最近ではRSウィルスの感染の細気管支炎が増えてきています。

RSウィルスは一般的には冬にはやる感染症なのですが、外来で手軽に検査ができるようになったためか、それともウィルスの変化によるのか、インフルエンザと同様に夏にも比較的みられるようになってきました。

RSウィルスの感染は乳幼児、特に1歳未満の赤ちゃんや、もともと心臓や肺に病気がある場合は重症化しやすく注意が必要です。

お兄ちゃん、お姉ちゃんたちはただの風邪だと思っていたら、赤ちゃんがうつって大変なことになってしまった、ということが起こります。

熱と咳、特に咳が続いて苦しいとか、ゼーゼーする、咳き込んで苦しくてミルクが飲めない、などというときは早く受診してください。

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9月からポリオの予防接種が生ワクチンの集団接種から、不活化ワクチンの個別接種に変わります。

当科でも予約を受け付け、9月10日より実際の接種を開始します。

ただワクチンの現在流通が不安定で、供給が間に合わない状況が起きているようです。

当科も10月以降、どれだけ供給されるか、現時点では確定できない状態です。

毎週月曜日と金曜日の午後に予防接種外来を別に設けているので、希望する方にはなるべく多く接種したいと思いますが、ご希望に添えない状況になるかもしれません。

ポリオという病気は、現在は日本では自然に感染して発症した患者さんはいません。

しかし、パキスタン、アフガニスタンなどでは流行があり、また中国北京でも発症はないものの、ウィルスを保菌している人は確認されています。

きちんと抗体をつけておかないと、万が一日本国内にウィルスが入ってきた場合、流行してしまうおそれも出てきます。

スケジュールにのっとって、なるべく早く予防接種をすませるようにしてください。

三種混合(DPT)ヒブ、肺炎球菌、そしてポリオと生後2か月から6か月くらいまでの間に接種しなければならないワクチンがぎっしりです。ロタワクチン、B型肝炎ワクチンなどを加えるともっと大変です。同時接種を利用して、早いうちに確実にすませるようにしましょう。

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また任意接種で有料になってしまいますが、水痘、おたふくかぜのワクチンも1回はぜひ受けて下さい。(世界的レベルはMRワクチン同様2回接種を勧めています)

とくに保育園に入園している、あるいは入園予定の場合はできる予防接種はなるべく早く全部受けておくことを勧めます。