診察室だより

梅雨も明けて、連日暑い日が続いています。

[2011/07/15]

東日本大震災で被災された方々、そして原発事故で避難生活をされている方々は本当に辛い夏になりますね。
連日熱中症の報道がなされていますが、お年寄りはもちろん、子どもも暑さに対する適応性が大人より劣るので、熱中症に対する注意が必要です。
これまで熱中症は日射病、熱けいれん、熱疲労、熱射病に分類されていましたが、重症度で分類されるようになりました。
Ⅰ度は日射病、熱けいれんに相当します。
炎天下での長時間の遊びや運動でみられ、立ちくらみ、頭痛、めまいなどを訴えます。
発熱はほとんどありません。涼しい所で衣服をゆるめて安静にし、水分を補給すれば数時間で回復します。(日射病)体育館などの高温多湿のところで長時間運動などをすると、いわゆる熱けいれんが起こります。水分補給が十分でない場合が多いようです。
運動後の休憩時に、突然足や腹部などの筋肉痛が起こります。
軽度発熱(38℃以下)を伴うこともあります。

Ⅱ度は熱疲労と呼ばれ、Ⅰ度の状態でうまく熱が放散できず、うつ熱状態となり、高体温(38~40℃)となったものです。発症はゆっくりで、脱水、頭痛、めまい、吐き気、筋肉痛、過換気、低血圧、頻脈など多彩な症状が出ます。
皮膚は蒼白で、冷や汗があります。
このような状況はすぐに医療機関に受診してください。
さらに進行すると、命にかかわるⅢ度に移行してしまいます。

最近の子どもたちは外で遊ぶ機会が少なく、汗をかいて体温調節をする機能が十分トレーニングされていません。日ごろから、帽子をかぶり、水分摂取をしっかりして、外遊びをして暑さになれさせておくことも熱中症の予防につながります。
乳幼児はベビーカーでの注意も必要です。路面からの熱気が大人より直接受けやすく、構造上、中に熱がこもりやすい状態です。保冷剤を使ったり、水分補給など細やかな配慮も必要です。また自動車の中は15分で60℃以上になると言われています。
ちょっとの間だからなどと、子どもを車に置いておくのは論外です。
もうすぐ夏休みです。暑さで寝苦しい夜も多いと思いますが、なるべく生活リズムを乱さないようにして、また熱中症や水の事故などにも注意して、楽しいお休みをすごしてほしいと思います。

最後に予防接種関連のことです。一時接種が控えられていた、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンが再開されています。日本脳炎ワクチンも一時接種差し控えで受けていない方たちへの新たなお知らせも届いていると思います。子宮頸がんワクチンも少しずつですが、新規の希望者にも接種もできるようになりました。ぜひこの機会にしっかり接種してください。

詳しくは小児科外来に直接お問い合わせください。