診察室だより

元気に新しい年を迎えるために・・・

[2010/12/07]

12月に入り、今年もあとわずかになってきました。
インフルエンザはまだチラホラで、大きな流行になっていないのは幸いですが、まだまだこれから流行してくる可能性はもちろんあるので、ワクチンを希望している方は、なるべく早く年内に終了するようにしましょう。

一般に子どもの場合、インフルエンザワクチンを2回接種して2週間後くらいに抗体ができると言われています。
最近は、おたふくかぜ、マイコプラズマ肺炎、ウィルス性胃腸炎が流行っているようです。
おたふくかぜは以前から流行っていましたが、まだまだ患者さんがみられます。
子どもがかかる一般的な病気と思われがちですが、合併症として髄膜炎があったり、また1000人に一人くらいの割合で難聴になったりすることがあります。
これはワクチンで防げる病気です。有料のワクチンではありますが、ぜひ受けておいてほしいと思います。

マイコプラズマ肺炎は年長児の肺炎の原因としては一番多いものです。
発熱とひどい咳が特徴です。もちろん風邪程度の軽い場合もありますが、しつこい咳と熱が続くときは疑ってみる必要があります。

マイコプラズマに有効な抗生剤は限られて、大体はマクロライド系と呼ばれる、ジスロマック、クラリスなどが処方されることが多いのです。ウィルス性胃腸炎は、ノロウィルスの感染などがニュースでも取り上げられているので皆さんよくご存知かと思います。

ノロウィルスは有名になってしまいましたが、その他にもロタウィルスなどいくつかあります。ウィルスは便の中や、吐いた物の中にあるので、特に子どもさんの世話をするお母さん、お父さんは気をつけて下さい。できれば使い捨ての手袋などを利用するとよいでしょう。また汚れた寝具や衣服はハイターなどの殺菌作用のあるものにつけてから洗って下さい。ノロウィルスはアルコールが原則効きません。よく石けんで手洗いして下さい。救急の現場では、よく熱が出るとすぐ連れてくる人が多いのですが、子どもはただ熱を出しただけではそれほど問題がないことが多いのです。

泣いたり、咳をした時に吐くのではなく、気持ちが悪くて吐くのが続くときは熱がなくても早めに医療機関を受診しましょう。それでは皆さん身体に気をつけて、元気に新しい年をお迎え下さい。