[2015/11/25]
寒くなってくると流行るもの、『インフルエンザ』と『ウィルス性胃腸炎』です。
インフルエンザは確かに冬が多いのですが、ウィルス性胃腸炎の原因ウィルスは
何種類かありますから実は年中あります。
ただ有名なノロウィルスやロタウィルスは冬に流行ることが多いので、
胃腸炎は冬のイメージが強いのかもしれません。
ウィルス性胃腸炎は名前のとおり、原因はウィルスですから基本的には特効薬もなく、
自然に治ります。もちろん抗生物質は効きません。
ただ、嘔吐がひどくて水分が摂れなかったり、下痢がひどくて失われる水分の方が多ければ
特に高齢者や乳幼児はひどくなると場合によっては命にかかわります。
早めに受診できれば、吐き気を抑える坐薬を使って、効果を待ってから少量ずつの水分を摂ることで
脱水を防ぐことができます。経口補液といって、最近はなるべく口から水分を摂ることが重視されています。
ただ何度も吐いてぐったりしてしまうと、結局点滴が必要になることもあります。
お子さんが気持ち悪くて吐き始めたとき、(咳き込んで吐くのは別です)3回以上続くなら、
早めに受診しましょう。
熱のないときでも吐くのが続くのは、お子さんにとって熱より辛い場合が多いのです。
また高熱と嘔吐があるときは、髄膜炎などの重症な病気のこともありますからなるべく早く受診しましょう。
ウィルス性胃腸炎は、便に出されたウィルスが手や物についてうつる接触感染です。
ノロウィルスなどは感染力が強いですから、家族内ですぐにうつってしまいます。
オムツの処理や、トイレのあとは必ずよく手を洗いましょう。
受診に来られた際、ノロウィルスの感染を疑い『検査をしてください』と言われることがありますが、
ノロウィルスは3歳未満と65歳以上でないと保険が使えません。
ですから集団感染でもなければ一般的には検査はしませんし、またその必要もありません。
検査でノロウィルスに感染している事がわかったとしても治療法が変わるわけではありませんから。
ともかく手洗いをしっかりすること、そして嘔吐が続くときは早めに受診することが何より大切です。